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いとこを膝の上に乗せてDVD鑑賞したお盆のお話 1

今年のお盆付近の話です。
私といとこはお盆も仕事があったため他の親戚達とはズレた日程で祖父母の家に集合。
鐘楼流しも終え、食事を済ませたあと二人でDVD鑑賞を楽しんでました。
いとこを膝の上に乗せ、だっこするような格好で仲良く見る…のは良いんですが問題はその内容。
「…」
「…」
「…これ、怖いね」
「だよね?怖すぎるよね?この花子さん(もう直視できず)」
だっこと言えば聞こえはいいが、あまりの怖さのために最早いとこを盾にしているような状態の私。


結局、それほど長くない話(オムニバス形式の1話?)だったのでそのまま終わりまで見たものの二人して固まるほどテンションが下がってしまいました。
と言うか、お互いに体をぎゅっと掴みあって動けない状態。
もちろん続きが始まろうとしていたのは即ストップし、口直しにTVのバラエティのチャンネルをつけて恐怖を中和させようと試みる。
しばらくそのままTVを見てようやく人心地ついてきたところで、ふと以前から気になっていた事を聞いてみた。

 


「ねぇ、そう言えば○○さ、俺の事好きになってくれたのっていつから?」
さすがにこのタイミングでは意外な質問だったらしく、いとこは
「んえ?」
と、振り向きかかって2、3度目をぱちくりさせると、口をへの字に曲げながら
「ん~、今更それ聞くかぁ」
と感情の読み取りにくい声で言った。


(機嫌悪くしたかな?)
一瞬疑うものの、膝の上からどこうとしないし怒ったような雰囲気も発していないので違うと解る。
いとこは首だけ振り向かせて
「それ、言わなきゃダメなの?」と返してきた。
「ん~ん、ダメってわけじゃないけど。なんとなく気になってて」
「む~」また口をへの字に曲げて黙るいとこ。
元々どうしても聞き出したかったわけでもないし、言いにくいなら違う話題を振…
「ハッキリここ!って瞬間があるわけじゃないんだけどさ…
 あたし、夜の仕事してた時とか、友達と遊びにいく時とかもけっこう△△に送り迎えしてもらってたじゃん?」
「うん」


「でさ、ほら介護の仕事始める前くらいの…昔の友達に会いたいからって夜乗せてってもらった時あったでしょ?」
「あぁ…覚えてる。夜になるまで迷ってた時でしょ?」
「そうそう。で、あたしあの時会いたくない奴も居るって言ってたの覚えてる?」
「うん…やらせろってウルサイ奴が居るから、会ったらまたしつこく言われると思うとか」
(鮮明に覚えてるわ。車走らせてからそんな事言うから無茶苦茶複雑な気分で送り出したんだった)
「それで…そん時△△さ、思ってるのと反対の事言ってあたしの事送り出したじゃん。
 抜いてやれば大人しくなるとかサービスしてこいとか…」
言われる通り、不快感を悟られまいとかなり背伸びをしてクールぶった発言をしていた。
「言った…ね、言いました…」
(あー…て言うか反対の事口走ったのはバレてたんだ)
「で、あたし帰りもまた迎えに来てもらったじゃん」
「うん」


「車乗ってからさ、”何もしなかったよ”って言ったでしょ?」
「あぁ。(情けないくらいほっとしたな、あの時は)
 てかさ、あの時車に乗り込んで一番最初にそれ言わなかった?」
「うん、ほんとに覚えてたんだ?
△△凄く不安って言うか、そればっかり気にしてそうな顔してたし」
「んー…(あれは全部解った上での優しさだったのね)」
「△△凄く安心したでしょ?
 それで…あたし本気で心配して貰えてるのとか、凄く嬉しくてさ。
 出がけの時も死ぬほど嫌そうな顔してたけど、無理して送り出してくれたし。
 それに、帰り朝だったけど寝ないで待っててくれたんでしょ?」
「いや、まぁ…(変にそわそわして眠れなかっただけだけどね)」
「だから…ああ、だからって訳じゃないんだけど…」
「うん…」



考えてみれば自分にしても明確に好きになった瞬間や愛し始めた瞬間が解るわけでもなく
なんとなく傍に居るのや話かけられるのが心地よかったのが始まりで、いろいろ迷いながら長い時間を重ねるうちにようやく本物になってきたのかもしれない。
(本当に長い間、意地張って斜めに構えて…素直になるのが怖かっただけだ。
 認めてのめり込んで、失った時に傷つくのが怖かった。覚悟の足りない、馬鹿な話だ。)
などと考えていると、いよいよいとこが言葉に詰まり出し助けを求めるような表情になってきた。
「ごめんごめん、こんなのスッと答えられんわな。でもありがとう。」
「ん~、いやあたしも上手く言えないけどさ」
「あの○○さ、俺本当に○○の事愛してるから。」
いとこの目がまん丸になっていく。
「あ、あたしも」
言葉を使うのが照れくさく代わりに体で伝えようとする事が多かった私達には少しくすぐったいコミュニケーションだけど、これはこれで心地よかった。

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